黒子のバスケ

黄瀬涼太

甘い唇

貴重な昼休みに呼び出された。

相手は1つ上の学年の女子。

面倒だけど向かうのはファンは大事だから。

待ち合わせ場所に行けばお決まりのセリフ。

「今はバスケが大事で彼女作ってられないんス」

なんてお決まりのセリフを返す。

彼女の向こうの樹の下に足が見える。

相手が立ち去った後、足の方に行く。

女生徒が寝ていた。

その子は見覚えがある。

確か同じ学年・・・だったっけ?

ボブの髪が風でサラサラと揺れる。

「気持ちよさそうに寝てるな~」

彼女の横にしゃがみこみ、顔を覗く。

目立つカンジはしないけど、顔立ちは綺麗だし、肌も綺麗だ。

手を伸ばして指で頬を撫でる。

「さらさらッスね~」

本当に何も考えていなかった。

彼女の目が薄らと開いたと思ったら微笑んだ。

その顔が綺麗すぎて引き寄せられるように唇を重ねる。

「ん・・・」

彼女の声に煽られたと思う。

彼女の顎を少し上向きにし、舌を入れる。

おずおずと応えてくれる舌が気持ちいい。

彼女の舌を絡め取り、軽く吸い上げる。

すると彼女の手がオレを押し返した。

「あ、目が覚めたんスね」

「え・・・黄瀬くん?」

「おはよう」

すると彼女は手で口を押え、真っ赤になった。

媚びてないからなのか、その仕草が可愛いと思えた。

「名前、聞いてもいいッスか?」

「・・・・・・

っちね・・・もう1回キスしたい」

「だ、ダメ!」

「なんでッスか~」

「えっと・・・・・・私は黄瀬くんが好きだから」

「オレもっちが好きッスよ」

「私の事なんて知らないじゃない」



っちのキスにメロメロにされたんス」

「~~~!」

「だ・か・ら!」

彼女の耳元でとびっきりの甘い声を出した。

「責任、取って」

そして彼女を抱きしめ、キスを堪能した。



2015/10/14